私の故郷
- Pepuco null
- 2月6日
- 読了時間: 2分
私の出身は北海道である。
北海道出身というと、札幌、旭川、函館……そんな街の名前が思い浮かぶと思う。
私の出身地は、これらの街のどこにも該当しない。誰も知らない秘境で生まれたのである。

現在、私は湘南エリアに雪女として生息しているが、たまに北海道出身の人と遭遇する。そこで北海道に住んでいた人と出身地の話になっても、誰ひとりとして私の生まれた町を知らない。
小さいころ北海道に住んでいた、とか、北海道によく出張に行ってたからいろいろ知ってるよ、とドヤ顔で話しかけてくる人に故郷の名前を言っても、いやぁ……知らないな、初めて聞いたよ、と、こんな具合である。
一言だけ物申したいのは、関東の人は北海道のことあまり詳しくないのに、北海道出身だというと「北海道のどこ?」と聞いてくる。あれはなぜなんだろう。絶対知らないよね?
こちらとしては、どこの出身なのか説明をするのに4~5分かかるし、地名をいってもわからないし、その会話自体が面倒になってしまう。そこで考えたのが、大きな都市の出身である、と言い張ることだ。
私の故郷の近くには、"岩見沢市"という街がある。ごくわずかだが、関東の人でも岩見沢のことは知っている人がたまにいる。私は岩見沢の高校に通っていたし、もう岩見沢出身といえば楽なんじゃないか。そんなことをたまに考える。でも、数ミリ程度残った自分の中のプライドが、岩見沢出身です、と発言することを許してくれない。
これまで日の目を浴びなかった私の故郷だが、最近は地名がゴールデンカムイに少し登場していたらしく、それを話すと理解してくれる人も増えてきた。それはとても、とてもうれしい。
故郷に行くことが今後あるかはわからないけれど、大好きな祖母と過ごした地でもあり、良いところなので機会があればもっといろんな人に知ってほしいと思う。
ちなみに、あえて故郷の名を書かないのは、その地名で常に検索している1学年下の女の人がいるので、見つからないようにするためだ。
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