
元カレと電車賃
- Pepuco null
- 5月2日
- 読了時間: 3分
「そんなに好きならさ、彼にもう一度話してみたら?結婚する気ないのはわかってるよ、って伝えたうえで、それでも一緒にいたいと伝えみたら」
行きつけじゃないワインバーに仲良しの飲み友達を引っ張っていき、最後の1杯として私の本名に似た名前の赤ワインを飲んでいたところだった。
その時は酔っていたので、うーん、行けるかも!と正直思った。
でも次の日、若干お酒が残った体でジムに行き、帰ってきてお風呂に入り、プロテインを飲み、かるく食事をして昼寝をしてスッキリとした頭で考えなおしてみた時、「やっぱりいいや」と思った。
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彼とは2年前くらいの秋に別れた。理由は「結婚したくない、結婚を考えられない」というものだった。
彼はバツイチで子どもが2人いた。慰謝料(養育費?)を毎月払っていたが、そんなこと気にならないくらい好きだった。ライターだのサイト更新だの通訳だの色々やって自力で稼いでおり、お金がなさそうな様子は見せない人だった。
連絡したら返事は秒で返ってくるし、私に必要なことはないかといつも先回りして考えてくれた。私がひとりでできないことはなんでも手伝ってくれたし、問題が起これば彼が全て解決してくれた。
私とは結婚できない(したくない)のか、と問いただしたところ、その前に付き合っていた人ともそういう気持ちにはなれなかった、と話していた(本心かはわからないけれど)。
別れた後も、2,3回会った。最後に会ったのは昨年末で、私がフリーで受けていたサイト更新のお仕事をしていたとき、Wordpressの操作でどうしてもわからないことがあり、連絡した。
相談内容を伝えるとPC触りながら対応したい、とのことで、品川駅で待ち合わせをすることにした。彼は先述の通りなんでも先回りして考えてくれるので、移動しながら駅構内で(改札を出ないで)話し合える場所を探してくれた。
私が改札内を出なくてもいいようにすごくこだわっていたので、なんとなくおかしいなと思っていた。
落ち合って2人で駅構内でカレーを食べたあと話が長引き、結局改札を出てお茶をした。帰り際に、どうして改札内にこだわってたの?電車賃もったいなかった?と聞いた。
僕はいいんだけど、ぺぷちゃんは遠いから。改札出ないで、(本来降りる駅の)隣の駅で一回改札をでれば、電車賃が浮くでしょ。と、言われた。
解散した後、彼はとても苦労してきたんだなぁ、と思った。そういう細かいところを節約して、めちゃくちゃ稼いで、子どもにお金を送って、貯金もして。それで中古のマンションを一括で買えるくらいのお金を貯めたんだろう。
だけど私は、38歳になってまで電車賃をちょろまかしたくないな、と思った。
確かに私は彼よりはお金がない。だけど、電車賃をズルして節約するほど生活には困っていないのだ。
……ていうか罪になるよね?
彼にはやんわりと、そこまでしなくても私は大丈夫。大人だしちゃんと払いたいから。お気遣いありがとう、と伝えた。
彼は少し不服そうな顔をして、へぇ!ぺぷちゃんはすごいねぇ、と言った。この人はそういうこと普通にするのかな、とあまり深く考えたくないことが頭の中に浮かんできて、1ミリだけ軽蔑してしまった。
だからやっぱり、彼とは友達のままがいいかなぁ、と思った。
少しでも違和感があるならやめておいた方がいいよね。ね?

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